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曹洞宗徳雄山建功寺住職で庭園デザイナーの枡野俊明さんのご本の紹介2冊目です。深イイ話で、日常の私たちのいろんな感情(主には負の感情)のトリセツと言ってもいい枡野さんのご本です。
■思い通りにいかなくてモヤっとイラっとしてしまう。
■嫌なことを何日も引きずってしまう。この思い、どっかに置いていきたいぐらいだ。
■「いつか仕返しをして、こらしめてやりたい!」という怨嫉の心に、ときたま囚われてしまう…。
……などの、人間らしい思いをお持ちのみなさまへ。本気でことをやらかしてしまわないように、心の整理のつけ方、枡野さん流、いってみましょう。
はい。■1つ目です。特にあるあるが、恋愛における一方通行の片思いのケースですが、そこで、「自分に魅力がないんだ」とか、自分いじめをはじめてしまう方もいらっしゃるでしょう。
『はっきりいいましょう。世の中に思いどおりにいくこと、思いどおりになることなど、滅多にないのです。それにもかかわらず、思いどおりにしようとするから、やっかいなことになるのです。』(P43より引用)
これは執着のことですね。枡野さんは「どうにかなる」と仰っています。斎藤一人さんは「間は、なんとなかる」と、ロンダ・バーンさんは「プロセスは考えない」などなど仰られています。声に出して「どうにかなる」「なんとかなる」と言っちゃった方がいいみたいですよ♪
■2つ目ですが、かなり面白い一休さん(一休宗純禅師)の逸話を枡野さんが紹介されていて、
町で一休さんとお弟子さんが鰻を焼いているお店の前を通りかかって、一休さんは、その鰻のタレの香りに「う~ん、旨そうじゃな」と呟いたんだそうです。寺に帰りついたら、お弟子さんが一休さんに、仏の道を歩いている者が鰻の匂いに「旨そうじゃ」とは不謹慎ではないですかと聞いたんですって。そしたら一休さんは…
『「なんだ、おまえはまだ鰻にとらわれているのか。わしは、旨そうじゃという思いなど、鰻屋の前に置いてきたわ」』(P95より引用)
と。その瞬間に「旨そうだ」と思うのは自然なことで、そのとき、その瞬間に思うのはいいのです。それを引きずること(これもまた執着なのですね)で、人は苦しんだり、心穏やかでいられなくなったり。例えば「嫌だ!」とかネガティブなことを一瞬思うのはいいのです。
思っても持ち越さない
その場に置いてくるのが大事だよ
というエピソードでした。
■3つ目も、人間あるあるですね。報復心や仕返しについての枡野さんの回答をいいますね。
『しかも、相手がやられたまま黙っているとかぎらない。さらなる報復にでてくる可能性は小さなものではないでしょう。「報復の連鎖」は世の常。歴史もそれを証明しています。仕返しは自分に戻ってくるのです。』(P133より引用)
枡野さんは、仕返しは過去に葬って「いま」を生きましょうと仰っています。仕返しヤル気まんまんで報復にトライしても、返り討ちに遭う可能性って、実はかなり大きいんじゃないかと思うんです…。返り討ちで、フルボッコにされて一生の傷を負ったりしたら………仕返しはハイリスクですよ。
■あめ的回答■
日常生活で沸きあがる様々な「思い」への処方箋といってもいいような枡野さんのお答えの数々は、色んなシーンで応用できることうけあいます。