『許せないを気にしない。』 名取芳彦
『許せないを気にしない。』 名取芳彦

『許せないを気にしない。』 名取芳彦

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元結(もっとい)不動密蔵院(江戸川区鹿骨)住職の名取芳彦(なとりほうげん)さんのご本です。「許せない」というこだわりは本当にしんどいですね。許せない を気にしなくなるようにはできます。

そもそも論ですが、みんな、居る土俵、立ち位置、条件、すべてちがいます。

『それぞれ立っている、活動している土俵、場所が違うのです。それなのに、勢いに任せて相手の土俵に上がれば、打ちのめされるのはわかりきっています。』(P72より引用)

『学問という土俵にいない私が、わざわざそこに登っていくことはないと気づいたおかげで、私は先輩の批判を屁とも思わなくなりました。』(P74より引用)

相手さんは相手さんの土俵の上からものを言っているだけです。こちらからおじゃますることもないし、バカにすることもない、むしろ敬意を払ってあげたらいいだけの話です。

他人を 羨ましいと思う時の盲点(苫米地英人先生的に言うと「スコトーマ」)

『そこで「うらやましい」について考えました。最初に気づいたのは、うらやましいと思うのは、たいがい「自分がたいへんな時」と「人が楽な時」を比べているということでした。これを比べれば、誰だってうらやましいに決まっています。』(P128より引用)

比べるならフェアな比べ方をする。逆に、「自分が楽な時」に「たいへんな人」を見たらうらやましいと思わなくて済みます。

すべての物事は、条件によって刻一刻と変化する諸行無常の原理に従っていて、変わらないものなどないのです。

『この変化に対して、同じ場所に留まって動かないというのがこだわりです。周囲が変化していくのに、「こうあるべきだ」と固執して同じ場所に留まれば、心は穏やかでなくなるのは火を見るより明らかです。だから、こだわりから離れたほうがいいと仏教は説きます。』(P173より引用)

もう昔とは違うんだよということを受け入れる。

あめちゃんも、、しばらく会っていなかった方と再会したら、穏やかで温かかった昔のイメージから、人格が激変していて、ドン引いたことがありました。ただ唖然。「人ってこんなに変わるんだ……」とただドン引き。もちろん、諸行無常の原理から言うとその方もまたこれから変わっていくことでしょう。その方への元のイメージも、あめちゃんの執着です。いずれも変わります。大丈夫。

「変えられるもの」と「変えられないもの」をごっちゃにして悩まなくていいというお話は、美容外科医 麻生泰先生のご本でありました。

『自分の努力ではどうしようもないものは、さっさと諦めてしまうしかありません。』(P200より引用)

変えられないものに執着をしているのは、他の土俵に上がりこんじゃっているから苦しむのかもしれない。自分では変えられないものだと受け入れる。頑張れば何でもできると思うのは人間の傲慢です。人間、できないことの方がよっぽど多いのですから。

■あめ的回答■

人間、できないことの方がよっぽど多いのだから、できない人を責めなくていいんです。

『私は、年を経る、または重ねる最大のメリットは許せることが増えることだと思っています。自分で何度も失敗し、他人の失敗をたくさん見聞きしているので、他人の失敗や過ちに寛大になれると思うのです』(P224より引用)

「人間みんなチョボチョボや」(出口治明さん)「人間はみんなポンコツ」(茂木健一郎先生)。これぐらい分かるとか、これぐらいならできるとか、相手に期待しすぎるから「許せない」が浮かぶのかもしれません。

「相手はこんなこともわからないポンコツだから仕方ないよね」

と、思ってあげた方が、相手も自分もまだ助かるんじゃないかと思いました。

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