『本当の「心の強さ」ってなんだろう?』齋藤孝
『本当の「心の強さ」ってなんだろう?』齋藤孝

『本当の「心の強さ」ってなんだろう?』齋藤孝

 

明治大学文学部教授 斎藤孝先生のご本4冊目のご紹介です。対象は10代の子に向けてのご本なのですが、大人だって、このタイトルは気になりますよね。

齋藤先生は、「どんなときもポジティブ」である必要はないし、鋼のメンタルになる必要もないし、もちろん失敗したっていい!と仰っています。

本当に心が強い人って具体的に、どういう人のこと?

自分は傷つきやすいタイプだから…どうしたらいいの?

自分の失敗にメソメソしてしまいます。

……といったことへの齋藤先生の回答いってみましょう!

鋼のようなメンタルに憧れている人は多いと思いますが、鋼って実は想定外の衝撃に弱いのです。限界きたらポキッって折れちゃいます。そこで、皆さんも聞いたことがあるかもしれません 「のれんのように生きる」とか「柳のように生きる」とか、レジリエンス(心のしなやかさ)の出番です。

信念とか堅く強くとかに拘る人って「我」が強いだけだったりして、周りに嫌がられているだけだったりしませんか?これからの時代、ますますレジリエンスが必要です。

本当に強い人って、とにかく「穏やか」で、自分の気持ちの整え方をよくわかっている人です。セルフコントロールって、本当に強い人しかできません。自分の不機嫌を周りにアピールする人が強い人とは思いませんよね?(自分すらまともに管理できないのに、逆に、周りの人間をコントロールしようとする人…知り合いに心当たりないですか?その人は強い人とはいいません)

傷つきやすく繊細な感覚=その感受性の細やかさを、違いとして感知することに活かしてください。ウサギとかも弱く敏感だからこそ、危機察知能力に優れています。でも、「傷つくようなこと」っていうのは、事故みたいに勝手に遭遇してしまいますよね?

『傷つくというのは、ほかの人との関係性のなかで生じること。「どうすれば傷つかないで済むか」を考えたところで、他人は自分の思惑を超えた言動をしてくるものです。ですから、どんなに考えても「傷つかない方法」というものは存在しない。

大事なのは、「傷ついた、……で、どうするか?が考えられることなのです。』(P199より引用)

さきほども他人のコントロールの話を少し出しましたが、他人をコントロールすることも、されることも難しいです。それどころか、相手は こちらが目がテンになるような信じられないことを言ってきたりもしますよね。齋藤先生が、

『強くなろうと力まない、「穏やか」な時間を増やす』(P205より引用)

と仰っていて、これが要だといっていいと思います。自分で自分の機嫌をとるというのはかなりレベルの高いことで、他人に自分の機嫌をとらせているような幼稚な人にはまず無理です。

■あめ的回答■

他人といちいち争おうとしない、そもそもとり合わない、ヒラリとしなやかに流す。他人のことはいいから、まずは「自分で自分の機嫌をとる」(他人様に自分の機嫌をとらせようとしても嫌がられます)。ポイントはその辺となりますが、これを身につけたらそれこそ一生有効で、いつなんどきでもわが身わが心を救えますよ!最強です。


にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村