『迷路の外には何がある?』スペンサー・ジョンソン
『迷路の外には何がある?』スペンサー・ジョンソン

『迷路の外には何がある?』スペンサー・ジョンソン

 

心理学者で「チーズはどこへ消えた?」の作者のスペンサー・ジョンソンさんの遺作です。「チーズはどこへ消えた?」の登場人物で、グチばかり言って、状況の変化に合わせて自分も変わろうとしなかった、ひとりぽつんと残ってしまったヘムのその後のお話です。状況が変わっていても、過去にしがみつき、『我』と『執着』ともいっていい姿は、「そーゆうひといるよね」「自分もそうなりえる…」と思わずリンクするものがありますが、そのようなひとでも変わるのか?ハッピーエンドとなりえるのか?興味深い寓話です。

「自分は間違っていないし、状況に合わせて自分を変えるなんてヤダ!」と、思いつつ現状維持で自分を苦しめていることはわかっている。(もしくは、そんな感じの友人が周りにいる)

状況を変えることで、より悪くなるんじゃないか……と、怖くて変えられない。

現状への執着は苦しい、一歩出たいけれど、もしも誰かがそっと背中を押してくれたら、現状からの脱出はできるんじゃないか……?!

…という方へ。自分の考えにガチガチに固執して苦しんでいる最中の方に、おおいに助けとなりますこちらのご本。ヘムは、ホープという子と出会い、様々な『気づき』を得ていきます。

『彼の信念こそが彼を囚人にしたのだ』(p47より引用)

古い信念への執着にヘムは気づきます。

『ヘムは、これは自分を向上させるというより、足を引っぱる信念ではないかと思った。』(p62より引用)

そうです。ヘムは今いる迷路の中しか知らなかったのです。外を知らないのです。最早コンフォートゾーンが変わったということに気づいたのです。

『自分が考えたことをすべて信じる必要はない』(p68より引用)

その場に執着しなくても、出ていった先にもちゃんと道はあります。その道すがらにも、さまざまなヒントはあるのです(苫米地英人先生ならスコトーマ(盲点)によって見えなくなっているとおっしゃいますね)。ヘムは過去にあった『チーズ』に執着をしていましたが、『リンゴ』を見つけて食べたっていいんです。『チーズ』だけが自分のすべてではないのです。

『「信念は強力だ」デニスが言った。「一つの会社全体を倒すこともある。人々は物事はこの先もこれまでどおりにつづくと信じている。だが、そんなことはない」(p85より引用)

おんなじような毎日で、これがずーっと続くんだろうなぁ…なんて思っていたら、そんなことはないという状況の体験は何度もありました。あめちゃんは生活が180度変わって2月よりこの書評ブログを始めております。迷路から抜け出したというか、脱出せざるをえなかったのですが(笑)

■あめ的回答■

ヘムと仲間だったホーは「チーズはどこへ消えた?」で、自分で「気づき」を得て脱出しましたが、ヘムは人の力を借りて脱出に成功しました。グチグチ言っていた信念という名の執着から脱出できたのです。ヘムみたいなタイプのひとでも救いはあるんです。

その信念、宝に見えて実はゴミ

ということは往々にしてあります。いや、かなりあるでしょう。なかなか手放すのに踏み切れない気持ちはわかります。皆様にも、宝に見えたゴミを手放して、心身ともに軽く、楽に生きられますように、その背中を押してさしあげられるようなご本たちを、あめちゃんはどんどんこのブログでご紹介していきますよ♪

 

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