『老いを読む 老いを書く』 酒井順子
『老いを読む 老いを書く』 酒井順子

『老いを読む 老いを書く』 酒井順子

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老いを読む 老いを書く (講談社現代新書) [ 酒井 順子 ]
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老い本ブームですよ私も。頷きながら考えさせられますよね、老い本って。超高齢化社会ですが、当然、多くの方は、町を歩いている元気な老人しかお見掛けしていないので、老人ホームに入居している高齢者の姿は知らないわけで、町を歩く姿は決して当たり前ではないわけで。現在100歳以上の人口は10万人を超えています。きんさんぎんさんの平成初期では4千人だそうです。

医師の日野原重明先生、看護師の池田きぬさん、俳優の草笛光子さんなど、老い本を出された方々が紹介されています。一般人で、老い本を出された石井哲代さんのことも紹介されています。

『そんな中で定年を経験している数少ない老いスターは、『102歳、一人暮らし。哲代おばあちゃんの心も体もさびない生き方』の石井哲代さんであろう。彼女はもともと教師であり現役引退後、自身の行動力とコミュニケーション能力とを駆使して長い余生を過ごしてきた。さらには本の執筆というライフシフトをも果たしたのであり、その点においても『102歳、一人暮らし。』は、世の元’勤め人達の参考になる、数少ない老い本である。』(p74より引用)

日野原先生は、超高齢化+一職(or一芸)を持たれた老い本ブームの先駆けでした。「生涯現役を貫く!」。瀬戸内寂聴さんや佐藤藍子さんもそうですよね。もし、あなたが100歳を過ぎても生きていたら、どのように生きたいですか?

『評論家の樋口恵子は、著書『サザエさんからいじわるばあさんへ  女・子どもの生活史』(一九九三)の中で、平均寿命が延びるにつれて日本の家庭に浮上した諸問題が『いじわるばあさん』には描かれている、と指摘する。『サザエさん』の連載が始まった人生五十年時代は、人は孫が大きくならないうちに、世を去っていた。しかし寿命が延びると、大きく成長した孫と祖父母が同居することになり、そこに軋轢が発生する。子供夫妻との同居も長期化し、子供夫妻もまた高齢化していく、という問題点も。
「『いじわるばあさん』世代は孫との人間関係はもちろん、息子とも嫁とも、かくも長期化した家庭内人間関係の調整に直面する最初の世代である」
と樋口は指摘する。』(p43より引用)

「いじわるばあさん」は昭和期に、青島幸男さん主演でドラマがありました。私は、子供ながらに「ギャグまんがなのかな?」ぐらいにぼんやり思ったことがあるぐらいで、内容をちゃんとは知りませんでした。酒井さんの解説で察するに、いじわるなばあさんではない、家族に大切にされていない悲しい高齢者を表しているんだ…と、思いました。現代となると特に、高齢者のお知恵も必要とされなくなり、家族にはやっかい者扱いされがちだと思います。肩身が狭く悲しいのです。いじわるばあさんでは、私はとても笑えません。

『一人でいる時の孤独よりも、誰かと一緒の時に感じる孤独の方が深いというが、高齢者もまた同じ。お年寄りは家族が面倒を見るべき、という規範があった時代の高齢者よりも、ギリギリまでどうにかしようともがくことができる現在の方が、高齢者は生きやすいのかもしれない。』(p50より引用)

家族という呪いから解放されたとき、安らぎを得るのかもしれない。

■■■あめ的回答■■■

なまじ長生きしてしまったらどうしよう…って、考えます。考えたところで明日、事故で亡くなったりしたら終わりですが、終わればいいけど、長生きしてしまったら?生涯現役で、いられるならいた方が絶対いいです。言い切ります。萬田緑平先生のご本もお読みいただきたいですが、人間は歩けるうちは死なないのは、まさにそうです。嫌でも長生きさせられる現代です。

100歳まで生きるなら、何をしたいですか?

たくさんの老いスターたちが紹介されていて、大変興味深く一気読みできた一冊です。

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