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●執行草舟さんのご本の紹介2冊目です。今回は本の厚みもあり、大容量となっています。テーマは‟誠”についてですが、執行さん曰く、自分で会得するしかないそうです。人生論の根本は基本的に生死観だと仰っています。まず死に方を決めないと生き方は決まらないというのが根本中の根本です。執行さんがYouTubeでも仰っていましたが、『家の畳の上で家族に見守られながら死にたい』だとすると、まずは真っ当に学校を卒業し、就職し、結婚し、そして子供たちを大事にしないと成立しません。ニートをやって1日中オンゲーにかじりついて浪費する毎日をやっていたら成立するわけがないのです。ゴミ屋敷に暮らしてご近所に嫌がられているような人も真っ当な最期は難しいでしょう。
●‟誠”は深いテーマです。パッと答えられるものではありません。‟誠”といえば、『新選組』(あめちゃんもいまだにNHKの山本耕史さんが土方歳三役のDVDをリピしています)の赤い旗でも有名ですよね。当時は人斬りの暴力集団だった新選組でも‟誠”があったのです。悪人には無いとか、そんな表面的なものではありません。
『宇宙の謂われと対面することこそが、誠を感ずるということに尽きる。先ほども言いましたが、誠は善悪を超越している。だから善悪に拘ると分からなくなる。それだけは覚えておいて下さい。悪いことであってもいいのです。悪いことが駄目だというのは間違いで、誠が見えなくなっているのです。誠がある人というのは、歴史的に見て、子供の頃は特に悪いです。悪知恵がまず発達するからです。その悪知恵がいろいろな人の心に触れ、恩や義理に触れ、段々と良いことに傾いて行くのが誠なのです。悪いものの方が生命としては先です。もともと悪いほど、誠を知る可能性が強いと思ってください。』(p132より引用)
●今、グローバリズムやヒューマニズムという一見「よいこと」のような単語が世間を飛び交っています。ヒューマニズムを標榜しておけば一見「すばらしい」ことを言っているような気がしてしまいます。実は、それは安易に口に出してはいけない…。口に出して良い気分になる人間の思い上がりかもしれません。キリストがこの世にヒューマニズムを持ち込んだのが始まりだったそうです。
『途轍もない神の法則が人間の文明や生活を律していたのです。その中でキリストが言ったこと、福音書に書かれているのはすべて、神のきびしい掟の中に少しは赦しがあってもいいではないかということです。あまりにも神の言うことが厳しいので、少しだけ抜け道を与えよう、というのがキリスト教です。そしてキリストの言葉として、ヒューマニズムが出てくる。今は欧米の国々が武器として振りかざしていますね。ヒューマニズム、すなわち人権です。
ただ皆さんにも歴史を知ってほしいのは、欧米というのは人権を振りかざし、ヒューマニズムを振りかざすことによって、神を失った。また、そのヒューマニズムを振りかざす欧米がアジアや他の国々を植民地にしたということです。そういう歴史的な背景が欧米にはある。ヒューマニズムというのはそういうものです。(~中略~)現在のヨーロッパは自業自得とも言えますが、自分たちがあまりにも人権を振りかざし過ぎて、そのブーメラン現象として自国に入ってくる移民などもまったく止められなくなっています。だからヨーロッパ文明というものは必ず滅びます。自分が振りかざした剣が自分に返ってきている。』(p140より引用)
キリストはヒューマニズムについて、神の掟が分からないのならば、女房とは離縁しろ、親子の縁は切れ、子供との縁も切れと名言されているそうです。そこで「誠があるか否か」が問われているわけですね。「ヒューマニズムを提言している自分は善い人間」アピールする人が増えていますが、本当に内容を理解していたら、そんなことは口に出せません。無知がまくれるだけです。
●良い家庭は、良くないという見出しのページが「それ、めっちゃある!リアルで周りにもいる!」と思わず頷きました。
『両親がきちんとしていて、父親が一流会社に勤めていて、母親も立派で教育熱心で中流家庭で恵まれている。そういう家庭の子供はほとんどが自閉的です。恵まれてしまうと駄目なのです。今でもやる気のある人間というのは、親は多少おかしかったりします。酷い場合には、それに貧しさが付いています。何かで失敗して自己破産しているとか、そういう家は、本当に子供がいい。七十四年生きて、商売をずっとやって来ていますが、長い間付き合っているお客さんにはそういう例が多いのです。どこの家庭を見ていてもそうですから、そういう意味では非常に悲劇的な時代です。良い家の親がみんな苦労しています。だから、最低限度のレベルの家庭で、親が変人で変わり者が良いのです。とにかく、良い人の家庭がきついのです。』(p213より引用)
みなさんの周りでも心当たりはないでしょうか?こんな不思議な法則があるんだよなぁ…と、おかしな親にも救いがあるというか。
■■■あめ的回答■■■
あめちゃんも、これは一生自分に問いかけ続けるだろうな…というテーマはいくつかあります。完結させてはいけないものもあるのです。執行さんは枯渇感を持ち続けることが大事だと何度も仰っています。それが伸びしろだなと思ってワクワクもします。
執行さんは今の日本は無間地獄だと仰っています。欲が無限な世の中です。もう「食べていけたらいいじゃないか」では済まないのです。我利我利亡者と表現されています。
『戦後の失敗は、ひと言でいうと政策の失敗ではなく、上限を打たなかったからです。これはアメリカも全部そうです。物事は上限を打たなければ駄目に決まっています。このことが経済の話になると、みんな分からないのです。』(p261より引用)
おかしな生き方をしたら苦しくなって当然です。「そんなに欲持ったらやること増えて大変だよね」ということも麻痺していてわからなくなってくるのかも。
読み物としても大変面白いですが、やはり読書は、著者との対話。どんどん自分の魂の栄養として喰わせていくことです。まずは死ぬほど読書してみましょう。
しょうもない飲み会で貴重な命の残り時間、浪費しないでくださいね。
