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●93歳の心療内科医 藤井英子先生のご本の紹介2冊目です。さて、他人との「折り合い」に悩む方は多いですよね。
『でも、どのような人間関係でも、折り合いをつけようとするときに、自分だけがちょっと折れれば済む話ではないことがほとんどです。相手にも相手の気持ちがあります。』(p28より引用)
折り合い…と言っても、やはり、それぞれが「相手に自分(私)寄りに変わってほしい」とゆずれないものです。
なので、相手とは、一度物理的に距離をとるというのはできることです。
『誰とでもうまくやろう、親しくなろうなんて思う必要はなく、よい距離感をつくることが、本当の「折り合い」なのかもしれません。』(p29より引用)
「ヤマアラシのジレンマ」ともちょっと違うのですが、相手とあまり近すぎるとケガをします。距離感を見定めましょう。
『悩みというのは、ほとんどが、自分と自分以外の人との関係性です。そして、悩みの中に長くいると、悩みを解決することだけが目的になってしまい、自分自身の気持ちや人生を疎かにしがちです。
人や環境をなんとかしようとすることから少し離れて、自分がどんなことが好きだったのか、思い出してみてください。』(p61より引用)
カフェに行ってコーヒーを飲むもよし、お風呂に入ってみるもよし、そして、気心のしれた友達と会うのもよし。そうです。嫌なあの人この人で悩むより、その気心のしれた友達との時間を大切になさってください。
●ただ、嫌なことも嫌なことで終わるわけではありません。英子先生は、悪いことのなかにも、いいことの種があると仰っています。
英子先生は89歳の時に、前のクリニックを、年齢を理由に引退するようにクリニック側から言われたそうです。受け持っていた患者さんを外されたり、前向きな英子先生でもショックだったそうです。
『私はクリニックを辞め、自分のクリニックを開くという挑戦をすることになりました。89歳での開業は、思いがけず、本を書くという経験にもつながりました。
今振り返ると、あのとき病院を辞めていなかったら、こんな新しい経験はできませんでしたから、いやなことのなかにもいいことの種があると実感しています。』(p77より引用)
みなさんもこれまでの人生、あの彼と別れたから今の彼と出会えた、あれを辞めたからこれを得られたといったご経験はあると思います。むしろ、悪いことが起こらないといいことの出番はない、ぐらいの感じ。
●悪いことばかりに頭を乗っ取られる、という人。そもそも運動できていますか?栄養は摂れていますか?現代人って、カロリー、糖質と工業油の加工品ばかり食べています。ビタミン、アミノ酸などの栄養がそもそも不足で思考がネガティブになるそうです。
『筋肉は何歳になっても増やせます。
年を重ねたら、若いとき以上に
筋肉をつけることを意識しましょう。』(p110より引用)
ホワイトカラーだと、運動しない言い訳がいくらでもできてしまいがちですが、運動やらない人はやらない人で放っておいてあげてください。やりたくないという人側の課題ですので、そこで首をつっこんであなたが悩まなくていいんです。他人ではなく、自分でできることを自分でする、です。
■■■あめ的回答■■■
他人を見ていると「絶対にこうした方がいいよね!?」とツッコミたくなることのオンパレードです。逆に、他人から見た自分(私)も、そう思われているでしょう。冒頭でもありました。自分だけがちょっと折れれば済む話ではなかったりします。相手を放っておいてあげるのも大事。立ち入りすぎてヤケドをしているんです。そして、
『人の失敗は「先に忘れてあげる」』(p92より引用)
なんなら、心の中で「これは貸しだぞ」と思いながらでもいいので、相手のやらかしは先に忘れてあげる。陰徳を積んだと思っていいんです。(但し、世の中には絶対に関わってはいけない人もいますので、その時はダッシュで逃げてください)
とらわれがちな「他人さん」から離れて心穏やかに、自分のできることにフォーカスするメソッドが色々載っている一冊ですので、ご自分に合ったものを見つけてみてくださいね。