|
※当ブログはスマートフォンではなくPCでの閲覧を推奨しています。
老人専門精神科医和田秀樹先生のご本です。今回はさらに前頭葉にフォーカスです。加齢で脳も小さくなります。真っ先に委縮を始めるのが前頭葉です。意欲や情動をコントロールする大事な部位です。前頭葉は洞察力も働かせます。言っていいことと悪いことの判別もそうです。やっていいことと悪いことも…。
『「前の車が遅くてイライラする!」と反射的にあおり運転をしてしまったらどうなるか、考えればわかるはずです。警察に捕まれば運転免許は取り消しでしょうし、3年以下の懲役か50万円以下の罰金。家族、親戚、会社の同僚やご近所の見る目も変わるでしょう。それなのに抑制が利かない……これは通常の脳の働きとは言えませんし、感情をコントロールする司令塔としての前頭葉がきちんと機能していないのではないかと疑わざるを得ません。』(p29より引用)
これは「前頭葉の機能不全」の一例ですが、ちょっと考えれば結果は解るようなことも考えられないのは大問題です。
●前頭葉は、「想定外」の事態で最もよく働きます。これまでのやり方では通じなくなった!さてどうしよう!?みたいな。世の中が変わっていくものだと識って適応できるような人が生き延びます。ダーウインのごとく強いものが生き残るのではなく適応できるものが生き残る話がありますね。
『高齢者が増えたら高齢者が増えたことに適応することができるのが人間らしさなのではないか?ということです。そして、知恵を絞ればもっとわれわれは適応する方法が考えられるであろうになぜそれができないのか?』(p107より引用)
それは「前頭葉が機能していないからではないか?」ということです。前頭葉の鍛え方はこれまでご紹介してきた和田先生のご本にもいろいろ載っていますので、あめちゃんの過去記事もご参照くださいね。
●人生100年時代=「老年格差が露わになる時代」だと和田先生は仰っています。まず大前提として、
できるだけ長く「現役」を続けられるなら続けましょう
ともかく働けるうちは働く、社会参加をする。自分で自分をあきらめないでください。
『社会参加をしていることは、何より前頭葉を使います。』(P151より引用)
『いま各企業などは65歳まで雇用確保が義務づけられていて、働いていれば無理にでも頭を働かせるため、脳の機能も維持されますが、定年退職してしまうと、急に頭も体も動かさなくなり、老け込んでしまいがちです。そのため是が非でも仕事は続けたほうがいいとわたしなどは思います。』(P174より引用)
■■■あめ的回答■■■
今回も和田先生節が面白いです。例えば、昭和のころの常識が、令和では非常識になっていたり、昔は通用していたものが現在は通用しなかったり、状況もルールもコロコロと変わります。AIやロボットが働いて、むしろ人間は働かないでくださいとなるかもしれない。
『夢のような話に思うかもしれませんが、今の時代であっても、生産過剰で消費過少であるなら、消費だけしてくれるほうがありがたいかもしれないわけです。働かないでお金だけを使ってくれる高齢者や生活保護受給者は社会にとってはいつだってありがたいお客様でしょう。「アリとキリギリス」と反対の世界で、「キリギリスは冬になっても食べ物が余っていたので一生ぜいたくに暮らしました」となるかもしれないわけです。』(P183より引用)
ということで、さぁいよいよ、前頭葉を使わないと乗り切れない未来がやってくるかもしれませんよ。自分で考えて備えるために、このご本は一助となりますよ。
👇どうぞ、ポチっと押してみてくださいね。怖がらずに、遠慮なさらずにどうぞポチっと。