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『イソップ寓話』ではなく、大人向けの『ラ・フォンテーヌ寓話』を鹿島茂先生が解説されているご本です。なかなかにえげつない大人のリアルな処世訓となっています。人は騙し騙され……性悪説を教えているフランスでは、「人は騙してくる」という発想は当たり前。日本の学校では教えてくれないですもの。ぜひとも「ひとは騙してくるよ。気をつけな」って教えてほしいです。
■人からバカにされて、仕返ししてやりたい気持ちもあるのだけれど、それに対して、返り討ちにでもあったら割にあわないんだけれど、煮え切らない想いをどうしたらいいんだろう?
■「人は騙してくるものだ」って?人を信じないと始まらないじゃないですか?
■目先の損得ではなく、最終的な損得を見定める眼力を身につけたい。
という方にはおススメなのですが、でも…すべての方におススメしたいぐらいです。人を騙してはいけないとは教わったけれど、騙されるなとは教わらなかった方全員に向けて。
●『無知な友より、賢明な敵のほうがまし』(P15より引用)
鹿島先生は米ソを例にして、戦争はあまりに割に合わないと考えた米ソとも『賢明な敵』であったから冷戦は熱戦にならずに済んだというお話を載せてくださっていて、
『賢明な敵』とは、正しい損得勘定ができる敵
ということだそうです。(無知な友とは、のちの損得勘定ができずにその場の感情でつっぱしる人のことのようです。)
●『人の背負っている荷物はそれぞれ違う』(P107より引用)
FXで大儲けした主婦の話とかを聞くと、「じゃぁ私にもできるんじゃないか」とか思ったりしがちですよね。あのひとができるんなら自分も…と、思っていても実はそもそもの条件が違っているという事実を見落としがちです。
FXで大儲けした主婦の場合。なんの知識もない主婦が、家事の片手間でパソコンでキーボードをちょちょいと操作していたら儲かっちゃったというイメージを持たれてしまうと思うのですが、実はこの主婦は、ほとんどの時間をそれにつぎ込み、実践的な知識も身に着け、「プロ」としての取引をしていたのです。そもそもが博才もある人だったのです。「あのひとができるなら私も」という発想はやめましょうという例なのですが面白い話ですよね。
●『復讐は、その後の償いを秤にかければ割に合うものではない』(P224 より引用)
復讐の喜びや快感というものは、その時は気持ちよくても、影響も倍返しで受けるから、ささいな侮辱など多めに見といた方が賢明ですよというお話です。殺人とかでもそうですが、一瞬カッ!となっても、その後一生の償いのことを秤にかけたらホント割に合わないですよ。
■あめ的回答■
このご本、日本人こそ読んでほしいお話満載です。どのご本からも「学び」を得ていくのは当然なのですが、手っ取り早くご本から、先人たちから、学ぶ理由の一つに、こちらを引用します。↓↓↓
『だが、人生はあまりに短く、経験を積んで判断力が養われた頃には人生はもう終わり近くなっている。いいかえると、経験だけでは足りないということなのだ。」(P303 より引用)
人生は、あっという間なので、さっさと学んで、要らぬ失敗もスキップしてショートカットしちゃった方がお得!という損得勘定ができた方がお得!ですね。
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