『養老孟司の人生論』 養老孟司
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東京大学名誉教授 養老孟司先生のご本を初めて読みました。

人間、過ぎたことは、あれでよかったんだ、あれが必要で起こったことなんだと解釈していいんです。養老先生はむしろ、そう思うべきだと言い切られています。

宮本武蔵の『五輪書』を引用された上で、

『すでにやってしまった以上は、その結果がよいほうに向かうように、あとの人生を動かすしかないじゃないですか。』(P68より引用)

『大学でいうなら、人事のもめごとがそうです。「あんなやつを教授にしやがって」。下の人たちがそう怒ってる。それを怒るよりは、あれが教授になったんだから、これから自分はどうすれば最善か、それを考えたほうが、ものごとがうまくいく。』(P68より引用)

それで、本気でヤだったら自分がさっさと辞めちゃっていいんですよ。

『辞めたら世の中が明るくなった。そう思えるように生きることです。』(P69より引用)

相手を思い通りに変えてやろうなんて徒労に終わりますが、自分自身のことならどうとでも動かせる。相手に構わなくていいから、自分はどうなんだろうというところから始めたら大丈夫。

養老先生のお話、あめ的共感が多かったです。

『英語をしゃべる環境にまったくいたことがなくても、書くことはネイティブ並みにできるんですよ。しゃべるのと書くのは違う。それは、脳を研究するようになって、当然だと知りました。しゃべれなくたって、ちゃんと書けるんです。』(P90より引用)

養老先生は、日本人は「読み書きソロバン」と仰っていて、しゃべるのと読み書きは違うそうなんです(汗)あめちゃんは書く派なので、しゃべりは苦手で、同じ日本語で発信することなのに、なんか全然違うよなぁと困ってはおりました(笑)

「あんなこと考えちゃいけない」とか「考えないようにしよう」って、考えるのを抑え込むことってありますよね。養老先生は、

『でも、たいていのことは「考えていい」んですよ。実際に起こったらとんでもないことを、人間は年中考えます。それでなきゃ、推理小説なんて成り立たない。話の中身は人殺しばかりですからね。それこそ原爆なんて、考えるだけでよかったんですよ。作ったからいけない。』(P221より引用)

考えるだけならよしとして「実行」まではしないこと。考えるな!考えるな!と封じ込めるのは無茶ですよね。

養老先生が、ご自身が全く関係もないのに、あの「全共闘」(※知らない方は検索しましょう)はいったいなんだったんだ?!といまだに考えてしまう…というエピソードが面白かったです。実はあめちゃんも、自分に全く関係ないことに「あれは一体なんだったんだ?!」と考えてしまうことってありますよ(笑)考えちゃったんだから仕方がない。「ダメ!」とかジャッジせずに受け入れましょう。

■あめ的回答■

出口治明さんのご本を紹介した時みたく、読み物として面白いですよ。なるほど~って。

『人は変わります。むろん考え方も変わってしまうんです。』(P276より引用)

時も、状況も、付き合う人も、自分自身も変わってしまいます。「変わりたくないんだ!」としがみつこうとしても容赦なく変わっていくので、素直にアップデートしてしまった方がいいですね。5年モノの古いスマホを延命させてがんばってしがみつかなくていいんです。

相手はいいから、「さて自分はどうしようか」にフォーカスしましょう。

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