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●薬物依存について詳しく研究されている精神科医 松本俊彦先生のご本です。そもそもあめちゃんがなぜこの本を手に取ったのかといいますと、あめちゃんの友人だった人が、お酒の場での、大声、暴言、ブチ切れっぷりがハンパなくて、本人は「お酒のセイだ」と言うのですが、本当に「お酒のセイ」なんていうものが成立するのか???と、本当にそもそも論なのですが、すごく疑問でして、YouTubeで松本先生のお話も聴いていたので、答えがわかるのではないか…と思いまして手に取ったのです。
「暴行したのはお酒のセイ」「人を轢き殺したのはお酒のセイ」「チカンしたのはお酒のセイ」「セイ」は成立するのか?このご本には、ドラッグや精神病薬やら色々な薬物も取り上げられていますが、どうやら違法な薬物よりもお酒がチャンピオンのようです。
『ここで強調しておきたいのは、アルコールはある意味で非常に有害な薬物である、ということです。なるほど、依存性という点では他にも有害な薬物はいくらでもあります。しかし、肝臓や膵臓、あるいは心臓・血管系、中枢神経への医学的障害という軸で見てみると、アルコールは、あらゆる違法な薬物をしのいで、「最悪の薬物」ということができます。』(p29より引用)
暴力、暴言、飲酒運転などにより、失職や逮捕・服役、離婚などで社会的に孤立という方はたくさんいらっしゃるようです。「お酒のセイです」って、なんの免罪符にもならないというか、そのカードを使えば使うほど信用がなくなります。言うメリットがありません。なぜ、ひたすら「お酒のセイです」を言い訳に使うのでしょうか?お酒で海馬が委縮するのは周知ですし、その頭の悪い言い訳が出る時点ですでに脳がやられてしまっているなら合点がいきます。未成年がムリヤリ飲まされた訳じゃないんだから、「セイ」なんて無いでしょう。「セイ」って「子供か!」って感じです。友人の人格豹変っぷりがトラウマ級だったので、あめちゃんそれ以降、とてもお酒が飲めなくなりました。
●このご本は読み物としても大変おもしろかったです。セルフメディケーション・市販薬について。一部の切り取りになりますが、
『一時は、Amazonのベストセラー商品を見ると、なぜか感冒改善薬部門では「パブロン・ゴールドA」(以下パブロン)がいつも上位に君臨し、咳止め薬部門では「エスエスブロン錠」(以下ブロン)と「メジコンせき止め錠Pro」(以下メジコン)が上位一位、二位を占め、「ベストセラー」表示がついていたのです。いうまでもなく、この三薬剤、いずれも依存症臨床に従事する者ならば知っている、乱用者の三大人気市販薬です。』(p136より引用)
要はODしている人たちが大量に買っているのではないかということです。
『それから、ドラッグストア店舗内での啓発については、もはや無意味といってよいかもしれません。「命を失うこともあります!」などと啓発されたところで、そもそも市販薬乱用者の多くは、常日頃から「消えたい」「死にたい」と考えている人たちです。かえって好奇心を刺激されかねません。』(p150より引用)
松本先生が重ねて仰っているのですが、薬物に「よい薬」も「悪い薬」もなく、「よい使い方」と「悪い使い方」があるだけで、そして「悪い使い方」をする人は何らかの困りごとを抱えているということです。本質はそこなんですね。
■■■あめ的回答■■■
『誤解を恐れずにいえば、薬物の合法/違法を決定するのは、医学ではなく、政治です。多数の愛好家からの支持があれば、多数決といういわゆる民主主義の原理ゆえ規制は困難となります。要するに、「身近な薬物」とは、多数の人から支持され愛好されている薬物を意味するわけです。そして、多数の支持者を得るための必要条件は、皮肉にも依存性の強さなのです。』(p248より引用)
依存性の高さ以外にも、人種や宗教なども関わってくるそうですが、結局、人は禁止されても他の抜け道を探すものです。
あめちゃん的にタバコやカフェインの話は読みましたが割愛します。「酒は百薬の長」とは、もう嘘だと結論は出ているそうです(※このご本の話ではありません)。「アセトアルデヒドは毒性強いって言うよね」と、他人事のようにふんわりと解釈していましたが、友人の「セイ」ではなく、友人の「おかげ」で自分はまずやめておこうと思えました。失うものが多すぎて、最早、何の得があるのかわかりません。「ワインの中に真実あり」という格言がありますが、相手様に聞かれてはいけない本音をダダ漏れにするのは、まさにバカのやることです。(自分からは、ダダ漏れにしていなくてよかったです)
