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青山学院大学教授・ロックフェラー大学客員教授 福岡伸一先生のご本です。読み物として面白そうと思って購入。動的平衡=どうてきへいこう と読みます。動的平衡とは何ぞや?の前に、このご本でまず皆様に覚えて頂きたいのがこちら↓
宇宙の大原則「エントロピー増大の法則」
エントロピーとは乱雑さのことで、
『この世界のすべてのものごとは、時間の経過とともにエントロピーが増大する方向に進む。』(P13より引用)
🔶どんなに素晴らしい建造物、美術品でも年月とともに、劣化する。
🔶機器も損耗する。
🔶整理整頓してあった机もあっと言う間にごちゃごちゃになる。
🔶どれだけすてきな恋愛もまもなく色あせる。
…などなど、
『つまりこの世界では、あらゆる秩序はあまねく崩れ、乱雑になっていく方向にしか進まない。』(P13より引用)
怖いですが、すべては「待った!」なし!免除なし!。しかし、我々みんな、エントロピー増大の法則と必死に闘っているのです。もっとも果敢にその法則と対峙しているのは私たち生命体です。福岡先生は、生命のこの営為を動的平衡と名付けられました。
生命は、老廃物の蓄積、糖化酸化劣化、遺伝子変異などなど、エントロピー増大が刻一刻と起こっています。それに体は対応して生きているのです。細胞たちも動いて壊れて作り直し、つり合いがとれている。これが動的平衡です。
前置きが長くなりましたが、容赦ない法則に冒頭から衝撃を受けたあめちゃんです。この容赦ない法則は、覚えておくと良いと思いました。
「ずっと変わらない」なんて思わないほうがいいです。
ものごとは変わりますから。それこそ容赦なく一瞬で変わってびっくりもしますから…。
●プロフェッショナルの定義(p146)は、皆様も希望が持てるお話だと思います。プロになるのに必要な時間は「1万時間」なのだそうです。1年に1000時間を10年にわたって休まず継続する。
『DNAの中には、ピアニストの遺伝子も将棋の遺伝子も存在してはいない。DNAには、人を生かすための仕組みが書かれてはいるが、いかに活かすかについては一切記載はない。』(P147より引用)
プロが我が子に同じ道を歩ませるのは、DNAではなく環境を与えているということだそうです。遺伝ではないそうです。それこそ、好きで夢中になれたら、あなたの適性です。遺伝はなくても適性ならばみんなにもあります。
●ウイルスのお話も載っていましたが、とても興味深いです。ウイルスは、そもそも人間とも太古の昔は同じ生命体であったということ。宿主から宿主で巡礼の旅の末にヒトのもとへ戻ってきて、そして、ヒトもウイルスを体内に受け入れたということ。
『ウイルスは、その都度、生き延びるものと死ぬものを峻別(しゅんべつ)し、生き延びるものには免疫を与え、人口を調整してくれた。』(P256より引用)
福岡先生は「不謹慎だ」と批判されることを承知でこのお話をしてくださっています。昔は、地動説だって、批判どころか処刑の対象にもなりました。免疫を獲得できない個体は淘汰されていくのは自然の法則なので、人間が力づくでどうにかできるものではないんです。
■あめ的回答■
読み物として面白い話題がギュっと詰まったご本です。冒頭の「エントロピー増大の法則」は、モノは劣化もするし、損耗もする、恋愛もいつかは終わる(※恋愛の賞味期限は3年だと世では言われていますが、なぜ3年なのかはちゃんと意味があります。ググってもOKです)もちろん自分の生命も終わる(※ここでスピが入ると生命は永遠とかいう話になっていきますが)。
「エントロピー増大の法則」というものがあるんだと知っておくと「終わり」がきたときに「そんなはずはない!」とか完了したものごとへの執着に苦しむこともなくなって(減って)いくのではないかと感じ、今回メインでご紹介しました。
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