『新版 動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』 福岡伸一
『新版 動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』 福岡伸一

『新版 動的平衡3 チャンスは準備された心にのみ降り立つ』 福岡伸一

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

新版 動的平衡(3) チャンスは準備された心にのみ降り立つ (小学館新書) [ 福岡 伸一 ]
価格:1,100円(税込、送料無料) (2024/4/23時点)

楽天で購入

 

 

※当ブログはスマートフォンではなくPCでの閲覧を推奨しています。

青山学院大学教授・ロックフェラー大学客員教授 福岡伸一先生のご本です。読み物として面白そうと思って購入。動的平衡=どうてきへいこう と読みます。動的平衡とは何ぞや?の前に、このご本でまず皆様に覚えて頂きたいのがこちら↓

宇宙の大原則「エントロピー増大の法則」

エントロピーとは乱雑さのことで、

『この世界のすべてのものごとは、時間の経過とともにエントロピーが増大する方向に進む。』(P13より引用)

🔶どんなに素晴らしい建造物、美術品でも年月とともに、劣化する。

🔶機器も損耗する。

🔶整理整頓してあった机もあっと言う間にごちゃごちゃになる。

🔶どれだけすてきな恋愛もまもなく色あせる。

…などなど、

『つまりこの世界では、あらゆる秩序はあまねく崩れ、乱雑になっていく方向にしか進まない。』(P13より引用)

怖いですが、すべては「待った!」なし!免除なし!。しかし、我々みんな、エントロピー増大の法則と必死に闘っているのです。もっとも果敢にその法則と対峙しているのは私たち生命体です。福岡先生は、生命のこの営為を動的平衡と名付けられました。

生命は、老廃物の蓄積、糖化酸化劣化、遺伝子変異などなど、エントロピー増大が刻一刻と起こっています。それに体は対応して生きているのです。細胞たちも動いて壊れて作り直し、つり合いがとれている。これが動的平衡です。

前置きが長くなりましたが、容赦ない法則に冒頭から衝撃を受けたあめちゃんです。この容赦ない法則は、覚えておくと良いと思いました。

「ずっと変わらない」なんて思わないほうがいいです。

ものごとは変わりますから。それこそ容赦なく一瞬で変わってびっくりもしますから…。

プロフェッショナルの定義(p146)は、皆様も希望が持てるお話だと思います。プロになるのに必要な時間は「1万時間」なのだそうです。1年に1000時間を10年にわたって休まず継続する。

『DNAの中には、ピアニストの遺伝子も将棋の遺伝子も存在してはいない。DNAには、人を生かすための仕組みが書かれてはいるが、いかに活かすかについては一切記載はない。』(P147より引用)

プロが我が子に同じ道を歩ませるのは、DNAではなく環境を与えているということだそうです。遺伝ではないそうです。それこそ、好きで夢中になれたら、あなたの適性です。遺伝はなくても適性ならばみんなにもあります。

ウイルスのお話も載っていましたが、とても興味深いです。ウイルスは、そもそも人間とも太古の昔は同じ生命体であったということ。宿主から宿主で巡礼の旅の末にヒトのもとへ戻ってきて、そして、ヒトもウイルスを体内に受け入れたということ。

『ウイルスは、その都度、生き延びるものと死ぬものを峻別(しゅんべつ)し、生き延びるものには免疫を与え、人口を調整してくれた。』(P256より引用)

福岡先生は「不謹慎だ」と批判されることを承知でこのお話をしてくださっています。昔は、地動説だって、批判どころか処刑の対象にもなりました。免疫を獲得できない個体は淘汰されていくのは自然の法則なので、人間が力づくでどうにかできるものではないんです。

■あめ的回答■

読み物として面白い話題がギュっと詰まったご本です。冒頭の「エントロピー増大の法則」は、モノは劣化もするし、損耗もする、恋愛もいつかは終わる(※恋愛の賞味期限は3年だと世では言われていますが、なぜ3年なのかはちゃんと意味があります。ググってもOKです)もちろん自分の生命も終わる(※ここでスピが入ると生命は永遠とかいう話になっていきますが)。

「エントロピー増大の法則」というものがあるんだと知っておくと「終わり」がきたときに「そんなはずはない!」とか完了したものごとへの執着に苦しむこともなくなって(減って)いくのではないかと感じ、今回メインでご紹介しました。

👇いつもポチっと押してくださって感謝です

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村