『掃除と経営 歴史と理論から 「効用」を読み解く』 大森信
『掃除と経営 歴史と理論から 「効用」を読み解く』 大森信

『掃除と経営 歴史と理論から 「効用」を読み解く』 大森信

 

※当ブログはスマートフォンではなくPCでの閲覧を推奨しています。

タイトルの如く、「掃除」と「経営」は切っても切れない相関関係にあります。👇こちらは、塚越寛さんの『リストラなしの「年輪経営」』(光文社)から引用された一文です。

『掃除が行き届いた会社の社員たちは、言葉遣いも丁寧で、笑顔がこぼれています。場所だけでなく、人間もきれいなのです。掃除は、それを行う人間も磨くのです。』(p90より引用)

まさにそれですね。スピ入ってすみませんが(※大森さんのご本はスピ0です)櫻庭露樹さん波動干渉とよく言われます。その場所の散らかりや汚さから、自分が影響を受けてイライラしたり、だらしなくなったりすることです。ごちゃごちゃしていて気が散ったりするのは当然のことです。中には、それでも平気な人がいますが、それがまさに干渉でゴミと同化してしまった姿です。

「掃除とは己の心を磨くこと」で有名な鍵山秀三郎さん(イエローハット創業者)が、バブル経済崩壊後に、会社を東証一部へ上場されたときのエピソードも紹介されていました。興味深いのが、

会社の差別化戦略の呪縛から解放された事例だということ。
『事業や商品を差別化しなければ利益を得られない会社より、むしろ差別化しなくとも利益を確保できる会社の方が時代に翻弄されない盤石な会社ではないだろうか。』(P80より引用)

『もう小手先の差別化を追い求めなくとも良い会社、人の魅力や威力に溢れた会社になれるのではないかということである。』(P80より引用)

『もし逆に、特殊な差別化商品しか売れない会社ならば、終わりなき差別化に追い立てられる会社になる危険性がある。』(p80より引用)

鍵山さんは素手でトイレ掃除されることでも有名ですが(因みに、あめちゃんも素手を便器の水の中に入れています)、トイレ掃除をみんなで徹底できる会社、凡事徹底の大切さを教えて下さっています。(みんなが素手をトイレに入れなくてはいけないわけではないですよ)

モヤッ、イラッとしたら、掃除や整理整頓は有用です✨これは手っ取り早い気分転換法なのですが、みんな腰が重い。もちろん掃除の効用は、気分転換にとどまりません。こちらのご本は「掃除」と「経営」を組み合わせた内容ですので、企業や経営者が主役になっていますが、主婦でも学生さんでも置き換えて考えていただいてOKです。

『企業によって、いつ、どのような効用が得られるかが共通ではない。つまり、事前に効用が特定できず、企業や人によって異なるために、説明したくとも事前に有効性を説明することが難しいのだ。

ではどうするか。「まずやってみよう」という他ない。』(P205より引用)

■あめ的回答■

掃除を1回でもやってみたら気持ちよくはなります。しかし、継続すると飽きてくるので、だからこそ難しい。

『マンネリ化こそが、自分磨きの掃除だけでは限界があることを痛感させ、自分の掃除から脱却させていく機会となるからだ。』(p177より引用)

会社のためとか、自分のためとか、他人のためとか、そのような区別をも超えて、得られるものがある。だから「まずやってみよう」です。

自分が今、苦しいという人も、掃除で無心になれるというところから始めると、現状改善の大きな一歩になりますよ。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村
PVアクセスランキング にほんブログ村