『捨てる生き方』 小野龍光 香山リカ
『捨てる生き方』 小野龍光 香山リカ

『捨てる生き方』 小野龍光 香山リカ

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捨てる生き方 (集英社新書) [ 小野 龍光 ]
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投資家・起業家・IT企業CEOを歴任し、2022年にインドで得度された小野龍光さんと、大学退官後、北海道で「へき地のお医者さん」となられた香山リカ先生の対談本です。

「捨てる生き方」いいですね。なにを捨てましょう?ネットでポチポチ買っても箱を開けて解体するのすらイヤになる体験はあります。そもそもどうせゴミになるものは買わないでおきましょう。

香山先生は都会を出て、山あいの過疎地で生活をして、色々な気づきや体験をされているそうです。都会では当たり前のものが田舎にはない。

『「ない」のが当たり前だから、災害などでその「ない」が多少深刻になろうとも、みんな大して動じないのだ。そう考えると、実は「ある生活」より「ない生活」のほうが豊かだったり、強かったり、たくましかったりするのではないか。』(p15より引用)

例え事業に失敗しても、それは無くなったのではなく、ただ元に戻っただけ、というお話が、がばいばあちゃんの中でもありました。あなたにとって一番大事な物は?無人島に一つだけ持っていくなら?あめちゃんはトップで「歯ブラシ」です。例え同じ服をずっと着ていようとも、髪がボサボサであろうとも、口腔ケアは命と同等です。虫歯は痛いし当然嫌ですが、虫歯で死ぬこともあります。全身病になります。昔、知っている人で「4年間、健康保険を使ったことがない」と言っていた人がいました。(え?!歯科で歯のクリーニングも受けていないの???自費治療しているとも思えない不潔な口元だし…?!口臭まるで下水でやばいんですけど?)と内心ドン引いていましたが。話が脱線しましたが、災害などで十分な食料が一時的になくとも、口元の健康だけは一生の問題です。

自分の人生は自分しか生きられない。他人と病気やケガの交換もできません。代われません。

『だから、何かに依存しすぎてしまうと、その人にとって苦しい結果になるかもしれない。だって、頼っている相手はいつ朽ちていくかわからないわけじゃないですか。旦那さんであったり、奥さんであったり、子供であったり、会社であったり。そこに依存しすぎてしまうと、その対象が崩れたり、なくなってしまうと、どうしていいかわからなくなってしまう。』(p137より引用)

つかず離れずの距離感は何にしても必須です。「自分には彼しかいません」とか、めっちゃリスキーだから、他のことも色々できるようになりましょう。自分にはあっちもある、こっちもある。しかし、

『何か「意味」を手にしなきゃと苦しんで、たとえば他人から「あなたの意味はこれですよ」と言ってもらえたとしても、その人が腹落ちする生きる意味となるかはわからない。何か「意味」を欲しいと願う人が、自分なりに苦しんでひねり出して発見したときに、あ、見つけたと思うのが、その人にとっての自分の生きる意味。そういうものではと考えています。』(p128より引用)

と、龍光さんのお話です。他人から意味を貼り付けられてもそれは借り物です。とくに苦しまなくても、ハッとひらめきと出会うことは多々あります。

日本の精神科医森田正馬(まさたけ)先生の森田療法は今や世界中で実践されているそうです。あめちゃんも森田療法は聞いたことはあったのですが内容を知りませんでした。香山先生が森田療法の中で出てくる「一瞬一生」を解説して下さっています。

『それはどういうことかというと、ある意味目的本位というか、あれこれ考えず、まず目の前のやりたいことをしなさいということなんです。恐怖症や不安神経症の人って、これが治ったら映画に行こうとか、これを克服したら旅行に行きたいと、常にやりたいことを先送りしているんですが、森田先生は逆で、行きたいとか、読みたいとか、食べたいとか、そっちをまずはやりましょう。実践しましょうと言う。不安や恐怖を持ったままのあるがままの自分でやってみましょうと。それを「不安常住」と呼んでいました。要は、不安があって、うまくできるかどうかという心配があっても、行きたいから行こうという気持ちを優先させてみよう。』(p95より引用)

失敗しても受け入れる。じゃあ次はこれをやってみよう。人生はトライアンドエラーです。

■■■あめ的回答■■■

捨てる生き方は深いテーマです。そのしがみついている執着は、宝に見えて実はゴミということはあります。その握りしめたものを手放さないと、次のもっといいものは入ってこないよといったお話は聞いたことがあるでしょう?人にしろ、物にしろ、出来事にしろ、「いいかげん、これ卒業サヨナラしたいんだけどなぁ…」と、思い当たるところのある方、この一冊の中にヒントを見つけられるかもしれませんよ。

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