『君たちは どう生きるか』 吉野源三郎
『君たちは どう生きるか』 吉野源三郎

『君たちは どう生きるか』 吉野源三郎

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君たちはどう生きるか [ 吉野源三郎 ]
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道徳の本として有名な一冊ですが、主人公のコペル君(本名は潤一君)が日々の悩みとの遭遇を伯父さん(※因みに、伯父さんと叔父さんは違います。ググってくださいね)に相談しながら、学びへと転換していく物語です。貧しい同級生が家業を手伝っていることで『経済の話』、ニュートンのリンゴの話から『物理学』、ナポレオンの運命から『歴史』など。

こちらは冒頭での、池上彰さんのコメントからの引用です。

『こうして、人間としての教養とは何かを示した上で、あるべき人間についての問題提起が登場します。いじめへの対処です。』(P7より引用)

この本の場合は親友たちが上級生たちに暴行されるイジメなのですが、コペル君は親友たちと「殴られるときは一緒に殴られよう」と誓い合ったのに、自分だけ傍観する側になってしまったのです。あめちゃんが小学生のときに、男子たちに蹴られたり殴られたりしましたが、お友達が助けに入るなんてとてもムリですから、と殴られた立場で言えるのですが、あめ的には助けなかった側を非難できません。いじめに関しては、みんな立場も経験も違うので、このご本では自分の頭で考えるのがポイントなので、あめちゃんの考え方はみんなに正解では全くありません。一番難しい問題からご紹介しましたが、他には『物理学』できれいな法則で説明できるという答えがわかっている対話も載っています。

舞台がだいたい昭和初期あたりです。家業で油揚げづくりをしている親を手伝う同級生の話があります。ここで経済を学べるのですが、以下、伯父さんがコペル君に語りかけている内容です。

『ところで、君はどうだろう。君自身は何をつくり出しているだろう。世の中からいろいろなものを受け取ってはいるが、逆に世の中に何を与えているかしら。

(中略)

——まだ中学生の君だけれど、毎日、ずいぶんたくさんのものを消費して生きている。』(P149より引用)

『生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。』(P150より引用)

生産する人と消費する人の区別と伯父さんは仰っています。中学生で立派に家業を担ってしっかり働いているお友達につつましい敬意をもちましょうと。あめちゃんの父は小学生のときに新聞配達をしていたそうです。時代が違うので、今の小学生に新聞配達はとても任せられない(?)とは思うのですが。あめちゃんもチラシ折るとか農業用の小さい洗濯ばさみをこしらえるとかの内職はしていました(自分のおこずかい目的でしたが)。もちろん消費する人も大事ですよ!大事なお金を渡してくれるのですから。ここでは働くことが尊いというお話です。

冒頭で上級生のイジメの箇所を出しました。良い悪いという単なるジャッジがテーマではありません。イジメを見ているだけだったコペル君は、自分の行いに病んでしまいます。

『——同時にコペル君は、人間の行いというものが、一度してしまったら二度と取り消せないものだということを、つくづくと知って、ほんとうに恐ろしいことだと思いました。』(P240より引用)

なかったことにはできなくても、その経験から学ぶことのほうがよっぽど大事だということです。これは単に、一緒に殴られていれば良心の呵責がなくて良いんじゃないかという話ではありません。コペル君のお母さんが、昔、あるお婆さんを助けられなくて申し訳ないことをしたエピソードを教えてくれました。申し訳ないことをした経験も以後の人生で無駄にはなりません。

■あめ的回答■

これはぜひとも大人の方も読んで自分に置き換えてみていただきたいです。子供の頃に読んでいたら、以後の人生でお守りになるご本です。お友達にしろ他人様のことは自分の意のままにはできません。タイトルのなげかけ通りです。「自分、どうする?」これは一生のテーマ。それ自体が「生き方」です。

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