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●早稲田大学名誉教授 加藤諦三先生のご本です。「楽をした過去」が「つらい今」になっている(p28より引用)
『他人に振り回されるということは、一見つらいようにも思えるが、実は最も安易な生き方とも言える。「そうしたくない」と思っても、他人に嫌われないように「そうしてしまう」ほうが、その場は心理的には楽である。』(p28より引用)
人間関係で、これはあるあるですよね。断っていちいち不機嫌な顔されるよりは嫌なことでも引き受けたほうがマシだと思ってしまう。実はその時には自分が「心の借金」を負ったということに気づいていません。
『神経症が治らない人は、既存の人間関係を変えることができない人である。』(p48より引用)
今の人間関係を変えることです。変わるぐらいなら、今の不幸のほうがいい…と思ってしまいがちなのは分かります。しかし、どれだけ我慢を続けても必ず限界がきます。もしかしたら、あなたよりも相手の人のほうが、あなたへの我慢をぷるぷる堪えて爆発寸前かもしれません。
『そしてそれが大問題になった時、「あの時に言っていれば」と悔やむ。あの時には、「言いにくい」と思ったが、大問題になった今から考えれば、それは大した問題ではなかった。』(p111より引用)
言って不貞腐れたりしたらめんどうだな…と思って黙ってしまいますよね。それが恨みとして蓄積されて…。本当に優しい人は、もう何も言わずに相手さんの前からスーっと姿を消す、なんて言いますよね。自分が居る場所を間違えたらえらい目に遭います。あなたはこれまで、何度もえらい目に遭ってきた。それでもよく生きてこられたので。「自分すごいよな」って自分を褒めてください。
『不幸を受け入れることができれば、間違いなく人は幸せになれる。
物事が自分の望むようにいかない時に不幸を受け入れている人は、「物事はそんなにうまくはいかない、相手がいるのだから」と思っている。
不幸を受け入れられない人は、必要以上に苦しむ。』(p208より引用)
起こったことを無かったことにはできないのです。
『よくないことでも「起きてしまった」ことは受け入れる。』(p212より引用)
悩みを俯瞰しないで、悩みを細かくツンツンつついてちゃいけません。これまでも、生きてこれたし、これからの人生でも、その細かくツンツンつついている悩みは、通過点にすぎませんから大丈夫。
■■■あめ的回答■■■
加藤先生のご本ではこれまでも「受け入れる」と教えてくださっていました。
『自分の運命を受け入れる人は、地獄で成長したことで、それが試練となり、人よりも強くたくましい人間になる。』(p208より引用)
自分がされたことへの恨みに執着をしてしまうのが我々凡夫です。でも、このまま恨んでちゃいけない…とも思う自分がいる。加藤先生が色々な角度から「大丈夫!」という励ましをくださっている一冊です。
