『与える人 「小さな利他」 で幸福の種をまく』 坂東眞理子
『与える人 「小さな利他」 で幸福の種をまく』 坂東眞理子

『与える人 「小さな利他」 で幸福の種をまく』 坂東眞理子

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与える人 「小さな利他」で幸福の種をまく (単行本) [ 坂東 眞理子 ]
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大ベストセラー本『女性の品格』の著者であり昭和女子大学総長の坂東眞理子さんのご本です。

「利他」は、自己犠牲、自分を押し殺して他人を助けるという意味ではありません。

『自分の体を傷つけたり、健康を損なったりする行動をしないことはもちろんですが、自分のできることを増やしていくこと、知らなかったことを知りたいと学ぶこと、これらが自分を大切にする行動です。そして、自分が力を持てば持つほど人を助ける力(与授力)がつきます。』(p23より引用)

「自分ができること」を増やすと、他の方へもその力を使えます。それも、無理なくひょいっと。そして周りから「ありがとう」が集まってくると、周りがあなたを応援して持ち上げてくれます。これが「利他」のロジックです。

坂東さんが幸せになるためのお金の使い方にもふれてくださっています。

『モノを手に入れたよろこびは一過性でしかなく、時間がたつとそのありがたみが薄れますが、経験に対する支出は時間がたっても思い出として残り、満足感が増します。』(p140より引用)

精神科医藤井英子先生のお話でもありました。お金を使うなら、物よりも経験や思い出に使いたいというのは、今のあめちゃんもそうです。出口治明さんは「人・本・旅」によって、「人間というもの」を識るのに役立ちますと。

出口さんが「人間みんなチョボチョボや」というお話をされていました。そう、人間なんて、そんなえらそうで立派なものではないのです。それなのに、他人のことは自分の正義感で責める。坂東さんは、

『日本では「人に迷惑をかけてはいけない」という気持ちが強すぎる傾向があるようです。それが、お互いが迷惑をかけたり、かけられたりするのを許さない社会を作っているように思えてなりません。』(p81より引用)

あめ的には「迷惑」という境界は「悪意」のことだと思っています。電車で揺れて人の足をつい踏んでしまって、「迷惑だ!」と言う人もいるのでしょうが、踏んでしまった人はそんなに「悪者」でしょうか?悪意を感じますか?

他人さんに「迷惑だ!」と批難して叩けるほど、自分はこれまでもこれからも、何一つ汚点はないでしょうか?人を批難した人は、自分自身がやらかした時には特大ブーメランです。

自分は迷惑をかけながらでも生かしていただいていることに感謝しています

というスタンスでいれば大丈夫です。前に「自分は人に迷惑をかけるのが大嫌いなんだ!」と叫んでいる知人がいましたが、あめちゃんは「え?なに?それ完璧主義?コワッ」と思ってしまいました。

「効果的利他主義」という主張があります。なにかというと、

『これはピーター・シンガーというオーストラリア出身の哲学者の主張ですが、「わたしたちは自分にできる一番たくさんのいいことをしなければならない」という考え方です。(中略)

たとえばボランティアをするより、株で儲けてそのお金で多くの人を助けるほうが効果が大きい、というのです。やや極端な考え方ですが欧米の知的な若い人たちに影響を与えています。』(p243より引用)

これはおおいに共感しました。昔、駅前の街頭募金のひとが、券売機まであめちゃんにくっついてきて、ひつこく募金を要求してきたので、1円を入れたら「え?これだけ?」と言われたことがありました。(その募金の団体が何なのかすら見てもいなかったのですが、櫻庭露樹さん的に言うと、そういうひとに選ばれて憑かれてしまったのですよ、あめちゃんは。)

今でこそ、あのひと、その募金団体の品格を下げているよなぁ…なんて冷静に思えるのですが。そんなことをして1円を得るよりは、自力で働いて全額その支援先に自分で寄付したほうが、よっぽど徳のある行動なのにとは思いました。「利他」を請求して、はきちがえると、ただ「下品」になってしまうのかもしれません。

■■■あめ的回答■■■

坂東さんは、「自分は与える力を持っていない」と思い込んでいる人も、みんな「与える力」をじつは持っていることに気づいてくださいと投げかけてくださっています。もちろん、お金のことだけではありませんよ。人に笑顔で接することもおおきなギフトです。身近な人に「いつもありがとね」と言葉を添えることも利他です。「ありがとう」と投げかけ続けると、今度は自分が、周りの方から「ありがとね」と、言う側から言っていただける側に変わってきます。

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